2007年11月22日

もも&ぐっさん、時事放談。

ぐっさん
先週は『みんなのライトノベルコンテスト』のプレスリリースお疲れさまでした。無事にプレスリリースも済んで、この企画もいよいよ新しい段階に移行しますね。そういえば、もも@みやじまさんとお会いするときは、いつもこの「お疲れさま」という挨拶からですね。

もも
お疲れさまです。確かにそうですね(苦笑)。普段から複数の仕事を平行して進めることが多いのですが、夏の終わりから秋にかけては(仕事が)特に重なってしまって。この公式ブログの「広島アニメーションをつくる」のページも更新が滞りがちで。8月の「瀬戸内海強行突破ツアー」の最後が「ぐっさんぐったり」という写真で終わって、その後で間隔が空き気味だったので、ぐっさんが本当に倒れたと思われていたとか。

ぐっさん
本人は元気ですよ(笑)。実は、このところ頻繁に、もも@みやじまさんとは、打ち合わせを続けていたんですよね。それならば、「もっとブログを更新しろよ!」とこのブログの読者の方々からツッコまれそうですが。

もも
いろいろとデリケートな部分なども多かったり、また、展開が予想以上に早かったりということで、ブログを更新しようとしている間に展開が進んでしまうことも多くありました。
ですが、ついに!といいますか、ようやく!といいますか、今回、『みんなのライトノベルコンテスト』の概要をプレスリリースという形で正式に発表することができましたので、これからどんどん更新していく予定です。

ぐっさん
思えば、このブログの開始にあたる「広島アニメーションという酵母」という記事が出たのが七夕の頃からでしたから、現在で約4ヶ月たちますね。この機会に、これまでの流れをもう一度整理しておきましょうか。

まず、広島という都市とアニメーションとの関係を大まかに振り返ると、広島市や広島市文化財団さんを中心とした「広島国際アニメーションフェスティバル」の取り組みがあり、他方、広島の経済界に母体を持つ(ももさんが所属されておられる)広島アニメーションビエンナーレ基金事務局による「広島アニメーションビエンナーレ」という取り組みがあります。また、若者を中心にアニメーションやゲーム、ノベル、同人誌、コスプレなどの愛好者の方々による各種イベント活動が行われています。さらに地元の大学や専門学校などの教育機関も大きな役割を果たされています。もちろん地元の放送局や新聞社といったメディアも重要な位置を占めています。

広島という都市とアニメーションとの関係と一口に言っても、このように幾つもの活動の積み重ねによって成り立っているという理解でよろしいでしょうか。

もも
いえいえ(笑)。ほんとは私が説明するとこですけど、ぐっさんにきっちり説明してもらいました。

カンヌ映画祭からアニメーション部門が独立して始まった国際アニメーションフェスティバルが(アヌシー、オタワ、ザグレブとならんで)広島でも開催されるようになったのが1985年からです。こちらはぐっさんもご存知のように、芸術系アニメーション作品をテーマとした国際的なイベントでして、広島市や広島市文化財団さんなどによる大変なご努力によって、国際アニメーション都市・広島として世界のアニメーション関係者に評価されています。

こうした取り組みとの相乗効果をめざして広島経済同友会によって設立されたのがアニメーションビエンナーレ基金です。2004年と2006年にちょうど国際アニメーションフェスティバルの時期と連動するようにイベントをおこない、多くの方々にお集まり頂きました。

このアニメーションビエンナーレという取り組みは、どちらかといえば、集客交流型のイベントが中心になります。しかし、アニメーション都市・広島を本当の意味で機能させるためには、もっといろいろな活動を組み合わせていく必要があります。そこでアニメーションを観る、体験する、学ぶ、つながるといった機会をもっと増やせるような基盤を整えていこうということで、経済産業省からのご支援も頂きながら始めたのがポール・イマージュ・広島という事業になります。このあたりの経緯を話し始めると、それこそ何時間でもお話できますが、ごく大まかに説明すると以上ですね。

ぐっさん
たんにアニメーション都市・広島と言った時にも、その背景には非常に多くの方々による活動の積み重ねといいますか、厚みといいますか、そういうものがあるんですね。
それで今年(2007年)の3月に私も関わらせて頂いた「広島アニメーション文化シンポジウム※」で、広島のアニメーション文化について討論をした際に、広島のアニメーション文化というものを地域文化のひとつとして位置づけるにはどうすれば良いのか、という話題になりましたね。その時に出たのが・・・。

もも
広島や瀬戸内海をテーマとしたアニメーションをつくる、という壮大な話がでちゃった訳ですよね。

ぐっさん
あの時は、事前の打ち合わせの段階で広島のアニメーション文化の将来というテーマを話しましょうということになってたのですが、当日の楽屋でパネリストの方々で皆さんが結構意気投合されたり、ゲストの檜山修之さんのテンションにも押されたりして・・・。

もも
そうそう。それに大勢の人の前でマイクを持つと熱くなるという自分自身の本性も相まって、「アニメーションをつくる」と宣言してしまいました(汗)。
とはいえ、私自身、ビエンナーレ基金へ出向した2004年3月からずっと、そうした広島、瀬戸内海にもとづくアニメーションをつくることの意義みたいなものは考え続けていました。

すでに1980年代に中沢啓治さん原作の『はだしのゲン』や1990年代には『かっとばせ!ドリーマーズ』などの作品が広島の大先輩達によって作られていました。けれども、こうした試みが流れとなって現在まで続いていないことを残念に思っていたのです。それで、機会があればぜひやってみたいと内心(企画を)温めてきたのです。そうした時に、ぐっさんから、水を向けられたという訳です。

ぐっさん
良く分かります。私自身も3月のシンポジウムの後、寄せられた多くの感想やご意見を読み直してみたところ、広島のアニメーション文化というものに対する希望と失望といいますか、期待と諦観といいますか、ある種のアンビヴァレントな感情を若い世代の方々が抱いているんだなぁと気づかされました。

こうした若い世代に対して、自分自身が何かできるだろうかと考えたときに、シンポジウムで出でた「アニメーションの制作」に向き合ってみることで、状況を動かせるかもしれないと思ったのです。このあたりは漠然としていたので、とりあえず、ももさんに相談してみようということで・・・

もも
この企画が始まってしまったと。

ぐっさんから、「あのシンポジウムの時に出た、広島・瀬戸内海のアニメーションをつくるという話の件ですが・・・」と連絡が入った時には、ドキッとしましたよ。

「ああ、どうしよう、本気にした人がいたんだ・・・・」と(苦笑)

ぐっさん
いずれ押さないといけない、電車・バスの停止ボタンみたいなもので、目的地に下りるためには、押さないととまらないとは分かっているけれど、だれかが押すのをまっている状況ですね。もしかすると、牽制しあっているうちに、誰もボタン押さずに通り過ぎて、そのまま次の停留所までいってしまい、後で後悔する、みたいな。

もも
ああ、まさしく、それです。私も、本当は、気がつかない振りをして、通り過ぎようとしてたのです。

それで、ぐっさんとお話をしたら「ライトノベルコンテスト」が出てきて、「あ、とうとう来てしまった」みたいな。

これまでお話したように、私もアニメーションの制作という大目標を抱いていましたが、その難しさ・厳しさも充分に自覚しています。まず、私たちが取り組むことができるのは(あるいは、まず取り組まなければならないのは)、アニメーションの企画や原作の部分を固めることかな、と思っていました。ですから、そのための方法論として、「ライトノベル」に注目するのは面白いと思います。

ぐっさん
現在、国内外から注目されている商業アニメーション作品の多くは、アニメーション単体としてだけでなく、コミックス、ゲーム、ノベル、関連グッズ、情報誌、インターネットの情報などの連関の中で、ファンに愛好されていますよね。そのなかでも、ノベル、すなわち「ライトノベル」と呼ばれるジャンルは、アニメーション作品の原作としても勢いがあるように感じています。

そうした「ライトノベル」という表現形態と広島・瀬戸内海という舞台をつなぐための視点として提起されたものがSETOプロジェクトだったんですね。

もも
ライトノベル作品を公募するにあたり、全国各地にいらっしゃる「書き手(小説家)」の皆さんに対して、地域の物語に関連する情報(いわゆるネタ)を提供する目的で、物語データベース「SETOプロジェクト」を立ち上げました。
SETOプロジェクトは、“Search for E-Tales and Oral-stories Project”の頭文字を表したものです。

SETI Project(地球外知的生命探査プロジェクト)を意識して、無理やりこじつけたのですが。)

広島、瀬戸内海、さらにはその背景としての中国地方は、古来から多くの物語が受け継がれた地域ですね。そこは一種の文化的資源の宝庫である、と言っても過言ではありません。そうした地域の歴史・地理・人物・産業・民話・建築物・商品、その他個人レベルのおもしろいエピソードの断片をインターネット上に集積しようというものです。

「アニメ・映画・小説・ドラマ等の物語をつくるとしたら」「私の町にはこんな面白い話がある」という視点で、エピソードを集積してゆく取り組みですね。そして、それを見た「書き手」の皆さんがインスパイア(触発)されて、これまでにない「地域の新しい物語」が誕生してほしい、と考えております。

過去の物語を題材にしたとしても、それを新たな視点から現代の物語へと変換していただきたい。それによって、「過去の物語」という「文化的資源」は、今を生きる私たちのための物語を紡ぎだす「文化的資本」として脱構築されて、「新たな物語」として日本、そして世界中へと広がっていって欲しい、と思います。

自分的には、「打倒!はりーぽったー」ぐらいの意気込みでやりたいなあ、と。(そうとう妄想はいってますね、こりゃ)

ぐっさん
ライトノベルというジャンルは、定義するのはなかなか難しいのですが、いずれも個性と魅力に溢れるキャラクターが日常的な世界、あるいは架空の世界で活躍する形式を持っていますね。今回のライトノベル作品の公募を通じて、書き手の方々が、どのような魅力的なキャラクターを産み出し、瀬戸内海(中国地方)という舞台を「今」を感じさせる独自の視点から発掘していただけるか、非常に楽しみです。


※「広島アニメーション文化シンポジウム」概要について
実施:2007年3月18日(日)
主催:広島国際学院大学
開催場所:広島国際学院大学立町キャンパス(広島市中区)
シンポジウム
(内容)
アニメーション文化に関連した活動をおこなっている行政関係者、地元経済団体関係者、一般のファン、声優(制作関係者)による意見交換を通じて、広島のアニメーション文化に関する現状と課題についての認識を深めながら、広島のアニメーション文化を活性化するための視点を提起することをめざした。

パネラー(5名)(所属は出演時のもの)
・檜山 修之 氏(ヒヤマ ノブユキ)アニメーション声優
・百々 隆雄 氏(モモ タカオ)広島アニメーションビエンナーレ基金事務局
・島本 登夫 氏(シマモト タカオ)財団法人広島市文化財団理事長、広島現代美術館館長
・藤山 太一 氏(フジヤマ タイチ)LMM代表(地元でのアニメ関連イベント団体主宰)
・服部 朝美 氏(ハットリ アサミ)代々木アニメーション学院広島校声優タレント科
コーディネーター
・谷口 重徳(タニグチ シゲノリ)現代社会学部

posted by HAC at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・書簡
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